社会福祉法人中央共同募金会様より『コロナ禍で居住困難に陥った当事者が主人公となる居住支援推進事業』への助成をいただき、2021年12月~2022年12月の期間、居場所をなくした身寄りのない方々がもう一度つながりを創出できるよう、活動に取り組んでまいりました。

具体的には

①居場所の運営

②身寄りのない人が同じく身寄りのない人に対して個別訪問する活動

                                 を行ってきました。

どちらの活動もつながりを生み出すには「きっかけ」が必要であり、その「きっかけ」が当事者によって促進されることが重要でした。

詳しい活動は↓のPDFからご覧いただけます。

08.活動レポート_やどかりサポート鹿児島居場所を失った人への緊急活動応援助成2022-12-27

これらの活動を通じて、コロナ禍という緊急事態であっても身寄りのない当事者同士の支えあいとつながりがあれば、孤独や孤立を防止することができることを確信しました。

ただこの居場所、身寄りの問題はコロナ禍に限ったことではないということも事実です。

コロナ禍という緊急事態であろうがなかろうが、平時から身寄りがなく、孤独、孤立に陥ってしまった方々がコミュニケーションをとれるきっかけづくりをしていくことの重大さに改めて気づきました。

今回の助成によって得られた経験を活かし、今後は孤独、孤立が行き着く最悪のケースである「孤独死」をなくしていく『孤独死ゼロアクション』に取り組んでいきます。

このような機会をいただきありがとうございました。

※当法人が取り組んできた2つの活動は、赤い羽根居場所を失った人への緊急活動応援助成(第4回)をいただき、活動、運営することができました。

赤い羽根福祉基金に寄付をしてくださった皆様、活動を支援してくださった社会福祉法人中央共同募金会様に、心より感謝申し上げます。

こんにちは!はじめまして。

居住支援法人やどかりサポート鹿児島のスタッフです(^-^)。  

ここ数年で知名度が上がってきた“居住支援”という言葉ですが、具体的にどんなことをしているのか…なかなか想像が難しいのではないでしょうか? 

「“居住”を“支援”するって、一体どういうことなの???」と思われる方が多いのではないかと思います。  

今回は実際の居住支援のケースとして、やどかりサポート鹿児島で運営しているシェルターに入居いただいた60代のCさんの事例をご紹介したいと思います。

“会社に勤め寮で寝泊まりしていたが、給料をもらったことがなかった” というケースです。

1,Cさんがやどかりシェルターを利用することになったきっかけ

60代のCさんは仕事先の寮に居住していましたが、解雇されてしまい、仕事と同時に住居も失ってしまいました。

寮を追い出されてからは1週間ほど公園で寝泊まりしていましたが、足の痛みなどがあり体調の良くないCさんにはとても辛い事でした。

以前の知人を訪ねて困った状況を相談し、福祉事務所に生活保護の申請をすることになりました。

福祉事務所からやどかりサポート鹿児島に電話相談があり、Cさんは入居先が見つかるまでの間、やどかりの運営しているシェルターに入居することとなりました。

2,Cさんとの最初の面談の様子

面談ではCさんは前の仕事の状況について「通帳は雇用主が持っている」「給料はもらっていなかった」「食事はお弁当が出ていた」「自分で自由に使えるお金はなかった」とお話してくれました。

“寮”といっても実際は会社の事務所の一角で寝泊まりをしていた様子でした。

専門職の見立てでは、「Cさんは雇用先から搾取されていたのでは?」とのことでしたが、Cさん自身には搾取を受けていた自覚がありません。また、これまで困ったことが生じても相談する先が分からなかったようでした。

Cさんは生活保護の申請は行ったものの、申請したことにより生活がどのように変化していくのか理解が追いつかず、今後の生活に非常に強い不安を抱えていました。

相談員が説明するものの、Cさんにとっては全てが初めての体験であり、なかなか理解することができません。Cさんの希望を聞きながら、少しずつ進んでいく方針になりました。

3,やどかりからCさんに対して行った支援

①金銭管理

今までお給料をもらったことがなく、食事も全て勤め先から支給されていたというCさん。「お金は全部自分が持っていると不安」との本人の相談から,月の生活費を週ごとなどで分割してCさんにお渡しすることを提案しました。分割して渡せば一気に全額使ってしまう不安がなくなるからです。

C氏も「その方が安心」とのことだったので,専門職による金銭管理が行われることになりました。

②Cさんを“やどかりライフ” や“ピアサポーター” と繋ぐ

やどかりサポート鹿児島では“やどかりライフ”というやどかりを利用しているメンバーがお互いに助け合う生活を導入しています。

他のメンバーを助けてくれるメンバーのことを“ピアサポーター”と呼んでいます。

やどかりはCさんを近所の“やどかりライフ”のメンバーに紹介し、Cさんが一人暮らしの中で気軽に相談できる相手と繋がれる環境を整えることにしました。

4,Cさんに対するピアサポーターたちのお手伝い

Cさんはこれまで一人暮らしをしたことがなく、携帯電話を持っていません。体調も崩していて、足が痛くて思うように歩けず、メガネの度数もあっていませんでした。一人で色々な手続きを行うのが難しい状態です。

やどかりではピアサポーターにCさんの新生活準備のお手伝いをお願いすることにしました。

具体的には以下のようなお手伝いが行われました。

①「生活保護ってなに?今後の暮らしはどうなるの?」というCさんの不安の解消

Cさんは、生活保護申請を行ったものの、今後自分がどのようになるのか想像できず、強い不安を抱いていました。

そこで、以前にやどかりサポート鹿児島の支援を受けて生活保護を受給し生活した経験のあるピアサポーターに、自分の経験や生活保護の手続きの流れ、今後の生活について説明をしてもらいました。

 Cさんの希望で、生活保護開始説明や受け取りの際もピアサポーターが同行しました。

②電話を持たないCさんと、福祉事務所、やどかりサポート鹿児島とのつなぎ役

携帯電話を持っていなかったCさん。シェルターとやどかり事務所の場所は離れていたのでやどかりの携帯電話を貸し出すことをお勧めしたのですが、Cさんは「電話機を壊すのが怖い」怯えます。

そこでCさんへの連絡調整は、同じマンションのやどかりライフ参加者の方々を通じ、“伝言”で行うことになりました。

やどかりから電話を持っているメンバーに電話し、そこからCさんに伝言してもらうという流れです。

③福祉事務所・当法人・年金事務所・銀行への同行

これまで他の町で生活をしており、電車やバスを利用した経験が少なかったCさん。シェルター入居当初は、やどかりの事務所まで一人で電車を使って面談に来たり、役所へ手続きに行ったりすることが困難でした。

ピアサポーターが一緒に行って電車やバスの乗り方を教え、手続きにも同行することで、年金手続きや住民票の移動をクリアする事が出来ました。

④書類の整理の手助け

Cさんとお話を重ねる中で、Cさんには漢字の読み書きに困難があることが明らかになってきました。新しい物件への入居に向けた様々な手続きや契約が進むと書類が増えてきますが、専門職が「〇〇の書類を出してください」とお伝えしても、本人がどれがどの書類であるか分からないので困ってしまいます。

「書類を紛失してはいけない」と考えたCさんは、大事そうな書類は全てビニール袋に入れて保管していただのですが、ビニール袋がだんだん重くなり,持ち運べないほどの重量になってしまいました。

見かねたピアサポーターがCさんと,リュック・ファイル・ポーチ・手帳・筆記用具の買い物を行い,書類や貴重品の整理と管理,日程の整理と管理を一緒にしてくれました。そのおかげでCさんは自分自身で身の回りの書類をある程度管理できるようになりました。

5,その後のCさん

ピアサポーターの手助けのおかげで無事に新生活をスタートしたCさん。前は困ったことがあっても誰に相談したらいいかわからない状態でしたが、今では分からないことがあると同じマンションのやどかりライフのメンバーに自分から聞きに行けるようになりました。 

また、Cさんはお給料をもらった経験がなく、お金を使うことに対して強い不安を持っていましたが、今では自分で買い物をして簡単な料理も作れるようになりました。 

 今は新たにシェルターに入ってきた人のために,荷物の持ち運びを手伝ってあげたり、退去時の清掃をして下さったりして活躍されています。

6,Cさんのインタビュー

公園で寝泊まりしていた時は、「こじきみたいな真似はしたくないなぁ」と思っていました。でも食べるものもなかったので、どうしようもありませんでした。

お金も全くなく、どうやって食べていこうかなあと不安に思っていたら、福祉事務所の方から「シェルターという所がある」と聞いて、「やっと外で寝ないで済むんだ」ととても嬉しかったです。

やどかりに初めてきて、面談をしたときには食費の立替えもしてもらえて、「助かった」と思いました。シェルターに入った後は福祉事務所担当者から、「お部屋の契約をしたら普通の生活ができる」と聞いて、本当に嬉しかったです。

初めて居場所に誘われた時は、どういうことをするのか分からなかったが、行ってみたら楽しかったです。居場所に参加することで、みなにお返しできればという気持ち。とにかく、そういうことは参加した方がよいと思っています。

今、自分の住居は2階にあるが、足が痛かったので1階か2階がいいという希望を聞いてもらえて安心して生活できています。

これまでは、全く相談できる人がいなかった。「一人でも知り合いがいたらいいな」と思っていました。だけど、今は近くに相談できる人がいて安心できます。自分のペースで生活できるので有難いです。互助活動では「自分ができることはやろう」と思っています。みんな困っている時はお互い様。

「今後は、マイペースに普通に生活できればいいです。ご飯を食べて、困った方のお手伝いをして、そうやって普通の生活ができるのが幸せです。」

やどかりサポート鹿児島「孤独死ゼロアクション」寄付のページはこちら:
https://congrant.com/credit/form?project_id=6337

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 この度九州ろうきん様より,
『~つながろう日置 支え合いを生むための交流会開催およびLINEグループによる安否確認の実現~』
の事業に助成をいただくこととなりました。

やどかりの活動にご支援・ご協力をいただき,本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

やどかりでは居住支援を行っていますが,私たちの力不足もあって,
すべてがうまくいっているわけではありません。
その最も悲しい失敗として,「孤独死」があります。

2022年に日置市にて孤独死されたある方の死を無駄にしないために,行動を起こすこととしたのです。
そして,この活動に対し九州ろうきん様より助成をいただけることとなったのは,
やどかりにとって本当にありがたいことです。

2月18日(土)の第19回九州ろうきん「NPO助成フォーラム」で,
本助成の審査員の方々のご意見をうかがい,他団体の活動についても知ることができました。
ありがとうございました(*^^*)

保証人がいなくても賃貸探しに選択肢を。入居困難の壁にぶつかった人同士、互いに見守り、一人にしない「やどかりサポート鹿児島」の取り組み

NPO法人やどかりサポート鹿児島の居住支援の取組みが,SUUMOジャーナルに掲載されました。

やどかり独自の取組みである,『地域ふくし連帯保証』や『当事者主体の居住支援』,そして『やどかりライフ』について触れていただいています。
是非,ご覧ください。

→→SUUMOジャーナルの記事はこちらから

NPO法人やどかりサポート鹿児島では,令和4年度独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興助成事業を受け
『生活困窮者支援のための当事者主体のシェルター運営事業』を行いました。

そして,その成果を報告するため
2023年2月10日(金)に,シンポジウムを開催しました。

参加申込者数は,全国各地から169名。

シンポジウムでは,NPO法人抱樸の勝氏やNPO法人抱樸互助会・なかまの会世話人の梅田氏をお招きし
抱樸の互助会についてご報告いただいた後,
やどかりの本事業での取組みを報告しました。

また,パネルディスカッションでは
NPO法人知多地域権利擁護支援センター 理事長 及び 全国権利擁護支援ネットワーク 事務局長 今井氏
NPO法人身寄りなし問題研究会 代表 須貝氏にも
オンラインでコメンテーターとして,ご登壇いただきました。

ご参加いただきました皆様,ありがとうございました!

この度,NPO法人やどかりサポート鹿児島は第55回MBC賞を受賞することとなり,
2022年10月7日(金),城山ホテルにて行われた『第55回MBC賞授賞式』に出席させていただきました。

当法人の活動を評価いただき,とても光栄です。
引き続き,皆様の御支援・御協力を賜りながら,
「すべてを失っても,もう一度つながれる社会」を目指して活動を続けていきたいと思います。

皆様,よろしくお願いいたします。

→→第55回MBC賞の詳細についてはこちら
→→第55回MBC賞授賞式のニュースについてはこちら

2022年1月時点において,鹿児島県内でも新型コロナウイルスの感染が再び拡大して参りました。

その事態を受け,当法人では外部関係者の方との面談方針を以下の通り変更いたします。

【変更時期】

2022年1月24日(月)より

1.サービスご利用中の方との定期面談について

利用者の方にご来所頂いて実施してきた面談をできる限り電話で実施します。

2.サービスの新規利用または更新手続き時の面談について

利用申込のための面談をできる限りオンライン(ZOOM)または電話で実施します。

従来の面談方法の再開時期につきましては,新型コロナウイルス感染の収束状況によって判断し 改めてお知らせ致します。

1日でも早く皆様が安心して暮らせる世の中になることをお祈り致します。

2021年12月20日

鹿児島市地域婦人会連絡協議会様,鹿児島市PTA連合会様,鹿児島市社会事業協会様が行っている
愛の一円塔募金を贈呈されました。

今年は例年になく,たくさんの募金が集まったそうです。

皆様の温かいお気持ちを,生活困窮者,身寄りのない方,障害でお困りの方々などに使わせていただきます。
誠にありがとうございました。

8/20より施行されております「まん延防止等重点措置」を受けて、当法人では感染対策を徹底し、利用者様・支援者様へもご協力をお願いしております

当面の間、面談は極力オンライン(zoom)または電話で行うこととし、来所いただかなくても連帯保証ができるよう努めてまいります

コロナが1日も早く終息し、安心して暮らせる世の中になることをお祈りいたします

2021年4月5日より、連帯保証部門は新事務所にて運営を開始いたしました。
新住所:鹿児島市下荒田4丁目30-5プレジデント下荒田403号

新事務所は面談室が広くなりました!
やどかりスタッフ一同、心機一転頑張ります!

©YADOKARI SUPPORT KAGOSHIMA.
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