鹿児島読売テレビ(KYT)さんに10月に引き続き、再び12月10日にやどかりプラスの取り組みについて報道していただきました!
番組の詳しい内容はKYTさんのページからご覧ください。

また、10月の報道を取り上げたやどかりのブログはこちらです。
番組の概要
孤立死は年間約2万1800人に上ると国が初めて公表しました。
孤独・孤立が個人の自己責任ではなく、社会的な問題であると認知される中で、当法人「やどかりプラス」は「当事者同士のつながり」による孤独死ゼロを掲げる少し変わった活動をしています。
保証人がいない人への居住支援を提供しつつ、LINEでの安否確認、仲間同士が支え合うピアサポートを実施し、当事者同士の交流やつながりの力で孤独孤立を防ごうとしています。
そんな試みが全国で注目を浴び、行政や自治体、他団体から多くの視察が入るようになりました。今回はKYTさんに視察に同行いただいて、居場所サロンの様子やLINEによる安否確認の取り組みを取材していただきました。また、実際に何かが起こった際にこのような新しい形のつながりの試みが、どのように機能するのかも報道していただきました!
番組でも取り上げられたやどかりプラスの孤独孤立を防ぐ取り組みをいくつかご紹介します。
番組でご紹介いただいたやどかりプラスの実際の取り組み
居場所サロン「CoCoDe」
居場所サロン「CoCoDe」は、孤独や孤立を感じている人たちが集まり、他愛もない話をしたりお菓子を食べたりして交流する場所です。毎週決まった曜日に開催され、集まる人の年齢や性別は様々です。
参加者には生活保護を受けたり、住まいを失ったり、自ら命を断つことを考えた人もいますが、サロンでの交流が心の支えになっている。仲間同士がお互いにつながって、生活の希望を見出せる起点となっています。

安否確認LINEグループ

安否確認LINEグループは、孤独死を防ぐための仕組みとして運用されています。
参加者は1日1回、グループにメッセージを送り合い、「今日も大丈夫だよ」というサインを互いに確認する仕組みです。
この仕組みの良いところはNPO職員が一方的に見守るのではなく、参加者同士が互いを見守る主体になること。最初は支援される立場だった人が、グループの中で「誰かの異変に気づく側」になっていきます。そういった役割が、孤立を防ぎ、自己肯定感を回復させる大事なステップになります。
つながるファイル

「つながるファイル」は、利用者が人生の万が一の際の希望を記録するファイルです。病院や薬の情報だけでなく、「延命治療は望まない」「緊急連絡先は誰にするか」など、自分らしい最期を迎えるための意思表示を書いておきます。
こういった情報を仲間同士で共有しておくことにより、必要なときに仲間が代わりに確認したりできる仕組みです。家族がいない人や、連絡を取りづらい人も、仲間たちが情報を共有することで、いざという時に適切な対応ができます。
取り組みが実際に果たす機能について

去年の2月に利用者の男性がなくなりました。
男性は生前居場所サロンで交流したり、ピアサポーターとなって利用者を支援していました。安否確認ラインにも登録し、毎日挨拶をしていました。そのため同じグループの方がLINEに返事がないことで男性の異変に気付き、室内で倒れている男性を発見。
男性は「延命治療は望まない」と自分のつながるファイルに記入していたので、家族でない理事長がその意思を尊重し、本人の希望通りの対応しました。そしてお葬式には、男性が生前交流していた家族以外の12名が参加しました。
本人の尊厳を守る上で、「つながるファイル」と周囲との交流が大きな役割を果たしました。
終わりに
孤独孤立は個人の自己責任の問題ではなく、社会問題へと変化しており、やどかりプラスはその最前線の景色を見ています。
家族や地域のつながりが急速に薄れて行っても、完全につながりなしで生きていくことは難しいです。
代わりとなるシステムを作ること、人々がコミュニティの中で役割を果たせる社会を作ることが大切だと考えて、今後も活動を続けていきたいと思います。




