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問題の背景
日本では、医療施設や老人ホームなどの高齢者ケア施設では、入院時・入居時などに「身元保証人」を求められるケースがあり、これが身寄りのない方が医療を受ける際の大きな障壁となっていました。
入院手術時に身元保証人が必ず必要という事になると、身寄りのない人々の生命や健康が脅かされてしまいます。
このため令和元年厚生労働省がに身元保証人のいない人の治療を拒まないように通達を出したのですが、一部の医療機関では現在でも入院や手術時の身元保証人を求められることがあります。
やどかりサポート鹿児島は賃貸の連帯保証人を用意できない人々に連帯保証を行うNPOですが、利用者の中には身寄りのない人も多く存在しています。
今回、利用者さんの一人から、病院受診の際に身寄りを求められ、必要な手術が受けられないかもしれない出来事があったという声を受けました。そのため、この医療機関に対し、身寄りのない人々を一部の例外として扱うのではなく、スタンダードな患者として受け入れられる体制を整えていただきたいとお願いさせていただくことにしました。
お願い本文
2023年12月25日、私たちは今回利用者さんが身元保証人を求められた医療機関に、以下のようなお願いをさせていただきました。
終わりに
日本の単身世帯率は令和2年の時点で38%であり、現在も増え続けています。
身寄り問題は決して一部の特殊な人々だけの問題ではありません。家族がいる方でも配偶者に先立たれたり、子供が遠方に転居したりして、近所に頼れる人が誰もいない状態になることは十分にあるのです。
身寄りのない人に優しい社会を作っていく事は、恵まれない誰かのためではなく、日本に生きる全ての方のためだと思います。
私たちやどかりは、今後も身寄りが無くなっても生きやすい社会を作るために提言を続けていきます。