2023年2月22日の地域互助に関するシンポジウムのご報告

2024年2月22日、やどかりサポート鹿児島ではシンポジウム「地域の支えあい、いかに生むか・いかに育てるか」を開催しました!

日本では今後高齢化が進んでいく中で介護を支える人材が低下していくことが予想され、これを支えるために地域の互助が注目されています。
このため、シンポジウムでは鹿児島県内で互助を積極的に行っている自治体ややどかりサポートの「互助の実践している立場から」の発表と、南九州市や鹿児島市・やどかりなど、「互助をコーディネートする立場」からの2つの立場から発表を行いました。

本記事では当日の発表やパネルディスカッションの様子をご報告させていただきます。

目次

1,「互助を実践している立場から」の発表

①西之表市 古田校区区長 窪田良二氏の発表「『小さな福祉のまちを目指して』結の里の挑戦!『住み続けたいと思える地域になるために・・・』」

古田校区区長の窪田良二さん。
地域のリーダーで、温かい人柄がとても印象的な方でした!
最初に発表して下さったのは西之表市 古田校区の区長である窪田良二さんです。
種子島の古田地区は地域互助がとても盛んな地域で、地域互助のモデルとして多く取り上げられています。実際の互助の様子を発表していただきました。 
発表では高齢者の住まいや空き家の状況など地域の実情を把握するために住民が作った「地域支え合いマップ」の制作の過程や、公民館でのお茶会・料理会や体操クラブ、研修会など様々な集いの機会の提供、住民のためのイベントの企画や、高齢者の配食に役立つキッチンカーなど、古田地区で行われている盛りだくさんの取り組みの紹介がなされました。
様々な人々が話し合いながら地域の情報を交換して作っていく「地域支え合いマップ」は個人情報が多いので残念ながらメルマガでは掲載できないのですが、「ここまで地域に住んでいる人の状況が把握できていたら、防災や地域の困りごとにも対応がしやすいだろうな」と強く感じました。
地域に何が必要なのかは、まず地域に住んでいる人の状況を把握する事から始まるんだ!と気づかせてもらった発表でした。
古田地区では見守りロボットなど最先端技術を使った見守りも取り入れています。
ZUKKU君は学習するロボットで、種子島弁も覚えてくれたそう。

②やどかりサポート鹿児島の発表「やどかりサポートの支えあいについて」

つながりの場であるサロンやLINEグループの説明はスタッフが発表。
実際の互助の様子や、互助の感想などについては城川さんが答えるスタイルで発表しました。

続くやどかりの発表では、やどかりサポートで実際に行われている住民同士の互助の中身を、実際に互助を行っているやどかり利用者の城川さんと一緒に発表させていただきました。

城川さんはLINEで知り合った利用者さんのエアコンが夏の暑い時期に泊まった時に修理しに行ったことや、LINEグループで見守りをしている時に一人の男性のLINEが止まってしまい、心配になって様子を見に行ったら部屋の中で倒れていた時の体験などを話して下さいました。
互助を行うようになったきっかけについて、城川さんが「今までは互助という考えは無くて人を信じられない状態で、自分が良ければいいやと言う考え方でした。でもやどかりの他の利用者と出会い、付き合っていく内に考えが変わって互助を行うようになった」と答えて下さっていたことが印象的でした。
やどかりでやっている居場所サロンやLINEの取り組みなどについても説明した。

互助をコーディネートする立場からの報告

③やどかりサポート鹿児島の発表「ピアサポーターとコミュニティについて」

互助のコーディネートについての発表の最初の登壇者もやどかりでした。やどかりは今、ピアサポーターのアウトリーチを進めていて、ほかの利用者さんやNPOとつながりが薄くなっている利用者さんとのつながりを強化しようとしています。その取り組みについて発表させていただきました。

つながりの強化や利用者の様子を把握するのに欠かせないのがピアサポーターの存在です。地元に住んでいるピアサポーターは利用者の訪問をしてくれることによって利用者の状況を把握し、他の利用者ややどかりにつなげ、必要であれば医療や福祉につなげたりしています。
 問題を抱えてはいるが、どうやって助けを求めたらいいのかわからず困った状況になってしまっている住民をピアサポーターが何度も訪ねて信頼関係を築いていくことで声を出しやすい状況を作っている…という発表をさせていただきました。
信頼を得たところがゴール地点ではなく、信頼を得て地域の人が自分の困りごとを訴えるようになることがスタート時点である事や、
様々な難易度の相談が寄せられるため、互助にはフィードアップと専門的なバックアップも必要であることを発表した。

④鹿児島市地域包括支援センター 本部 生活支援コーディネーター 大園紀子氏
 「住民主体による支え合いを推進するために」 

鹿児島市で行われている地域の助け合いを推進していくための取組みについて、鹿児島市地域包括センターの生活支援コーディネーターである大園紀子さんから発表していただきました。

住民同士の支え合いに対しては「自分には関係ない話」「介護保険もあるし行政の仕事ではないのか」という考えを持っている方もおられます。その中で支え合いを促進していくためには、まず地域住民の気づきと話し合いが大切。生活支援コーディネーターは地域に出向いて啓発を行ったり、出前講座などを行い、地域の支え合いの意識を醸成するために様々な活動を行っている…ということを発表していただきました。
発表中の大園さん。鹿児島市の地域包括センターの設置状況や、生活支援コーディネーターの取り組みなども発表して下さり、とても参考になりました!

⑤南九州市 長寿介護課 地域包括ケア係​ 保健師 西水流菜々氏「住民主体の支えあい活動の​立ち上げ支援をとおして​~すべての人が支え・支えられる仕組みづくり~​ 」

最後の登壇者は、南九州市長寿介護課の西水流菜々さん。
南九州市で住民の地域互助の仕組みとして取り入れられている有償ボランティアとその立ち上げなどについて発表していただきました。
それまでの住民同士の無償の支え合いの活動があり「どうして有償で行うのか」という声もあったそうです。
なぜ有償で行うのかの説明や、将来の事を考えると助け合いの仕組みを作ることが必要であることを丁寧に説明し、地域の方から理解を得て行ったとのことでした。
南九州市の現状や、有償ボランティアについて説明して下さった西水流さん。
やどかりも有償ボランティア制度に興味を持っていたので、発表後にこの取り組みについて質問させていただきました。
優しく答えて下さってとても有難かったです!

後半のパネルディスカッションでは…

後半に行われたパネルディスカッションでは、鹿児島県くらし保健福祉部高齢者生き生き推進課 地域包括ケア対策監 大園佳子さんにコーディネーターとして参加していただき、地域互助の推進について登壇者が全員参加して議論を行いました。
大阪人間科学大学の石川久仁子准教授にもコメンテーターとしてご参加いただき、やどかりの利用者を対象にした互助に関する調査の結果なども発表頂きました。
また、今回のシンポジウムを通じて今後どのように行動していくかをパネリストが質問される一幕もあり、他の人の発表で得た刺激についてコメントされる方が多かったです。
登壇者が発言しやすいようにコーディネーターの大園さんが上手に質問してくださり、登壇者や互助の当事者の思いを引き出して下さっていました。

終わりに

一口に「互助」「支えあい」と言っても、互助を実現させているシステムには様々な地域差があります。そしてその地域差は地域の歴史や特性から生じているという事が分かり、非常に勉強になるシンポジウムでした。
やどかりサポート鹿児島でも互助を推進していますが、やどかりの互助とは何なのかという事は、他の互助システムとの対比によって見えてくるものなので、このように他の地域の互助を一度に発表するシンポジウムは非常に重要な機会だったと思います。
ご参加下さった皆様、本当に有難うございました!

やどかりサポート鹿児島「孤独死ゼロアクション」寄付のページはこちら
https://congrant.com/credit/form?project_id=6337


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この記事を書いた人

©YADOKARI SUPPORT KAGOSHIMA.
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