身寄りがない世帯の生徒児童の進学時の保証について、鹿児島県議会で質問と答弁が行われました!

日本では、不動産の賃貸時に連帯保証人が必要とされることがほとんどであり、それが身寄りのない人々の賃貸住宅への入居を難しくし、大きな社会問題になっています。
この保証人制度なのですが、必要とされるのは賃貸住宅の契約時だけでなく、就職時や学校への進学時も保証人が必要とされるケースがあるのです。

現に、鹿児島県の県立高校では、入学に際し、保護者だけでなく保護者以外の第3者が保証人として必要であると定められています。

(誓約書)

第19条 入学を許可された者は,入学後10日以内に,保護者及び保証人連署の上誓約書を,校長に提出しなければならない。

(保護者及び保証人)

第19条の2 保護者は,次の各号に該当する者で,学校に対して生徒に関する一切の責任を負うことができるものでなければならない。

(1) 本人の父母,兄姉,後見人又は縁故者

(2) 成年者で,独立の生計を営む者

2 保証人は,独立の生計を営む成年者で,学校に対して生徒に関する一切の責任を負うことができるものでなければならない。

3 生徒は保護者若しくは保証人に変更のあつたとき,又は生徒,保護者若しくは保証人の住所若しくは氏名に変更があつたときは,すみやかにその旨を校長に届け出なければならない。

4 校長は,保護者又は保証人を適当でないと認めるときは,これを変更させることができる。

鹿児島県立高等学校学則第19条及び第19条の2
https://g-reiki.pref.kagoshima.jp/pref.kagoshima2/reiki_honbun/q701rg00000826.html

このことは単身で身寄りのない人だけでなく、身一つで逃げてきたDV被害者の子供の進学にも大きな影響を与えています。DV被害者の場合、被害から逃れるために以前の人間関係を断ち切ってしまっていることが珍しくありません。しかし教育機関に頼れる身内がいないことを説明しても、「決まりですから」と対応してくれない場合もあるのです。

せっかく勉強して高校に合格しても、保証人がいないという理由で入学できない可能性があります

昨年、やどかりを利用している片親世帯の利用者さんから「鹿児島県内の市立高校に進学するにあたって保証人を求められているが、どうしたらよいでしょうか」という問い合わせが入りました。

お話を伺うと、「DV被害から逃れるために以前の生活や関係を断ち切っていて、頼れる親族が誰もいません。子どもが高校に進学するのですが、学校から『保護者の他に第三者の保証人を立てて欲しい』と言われ、困っています」とのことでした。

いくらなんでも、学校が生徒に対して、絶対に保証人を求めるようなことはしないだろうと予想し、「学校に事情を話してあらためて交渉してみていただけますか?どうしても無理な場合は対応いたしますので」とお返事したのですが、学校は「必ずすべての⼈に保証⼈をつけてもらっている」と譲歩してくれなかったとのことでした。

そのため このケースでは、やどかりの理事長の芝田が個人的に保証人にならざるを得ませんでした。

学校に説明しても「決まりですから」と受け入れてもらえないということは、鹿児島県では、せっかく高校に合格しても、保証人が見つけられず断念せざるを得なかったお子さんも、もしかしたらいらっしゃったのかもしれません。
そう考えると本当に悲しいです。親の身寄りの状況が子供の進学に悪影響を与えてしまうのはとても理不尽です。
「この問題は是正が必要」と考え、何とかならないものか各方面でお話していたのですが、鹿児島県議会議員の⽶丸まき子議員が、2024年3⽉24⽇にこの問題について 県議会で質問して下さいました!

米丸議員の県立高校の保証人についての質問は6分30秒から、質問に対する県からの答弁は13分25秒から

⽶丸まき子議員はDV被害者の⽀援についても取り組んでおられ、以前にやどかりに対して現場の支援の実態についてヒアリングして下さったこともあります!

そして ⽶丸まき子議員の質問に対して、県からは以下のような答弁がありました。

「近年DVや各種災害等からの緊急避難の状態にある⽣徒が⾼校へ⼊学する例も増加しており、保護者以外の者第三者である保証⼈をたてることが困難な状況も⽣じているところです。
このため県教委(鹿児島県教育委員会)では保護者を保証⼈とみなすこととし、制約書については記載を不要とする学則の改正を検討しています(13:25〜)」

やどかりとしても とても嬉しいです!!
今後は⾝寄りがない家庭の⼦ども達が学びたいと考えたとき、保証⼈という壁が⽴ちはだからない社会になっていけばと思います。

経済的事情や家庭環境、身寄りの有無に関わらず、子供たちが不安なく学べる鹿児島になって欲しいです

お読みいただき、どうもありがとうございました!


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